この写真は、池田稲荷の祀られる通称「稲荷山(いなりやま)」から撮られたものですが、この構図は絵画『土岐川の風景』を知っていて意識して撮影した、としか思えないほど酷似しています。
絵画に描かれた土岐川は、乾季で水量がほとんどない状態ではありますが、土岐川の蛇行の様子、その周辺の地形を良く表しています。
写真で湖か池のようにみえるのは、昭和11年(1936)の川替えにより堰き止められた土岐川の名残の部分で、撮影当時は「古川」と呼ばれていた事が郷土史にも記されています。
この写真と絵画を見比べると、その蛇行具合といい、下街道の道筋といい、或いは脇之島側の河川敷きの曲線といい、地形的にほぼ一致し、縮尺的にもほぼ同じと考えられ、その写実性に目を見張るものがあります。
またこの両者は現在となってはその撮影者・作者が特定できないという点でも、何かしらの因縁を感じます。
これらの写真は、ほぼ同時期(同日)に撮られたものと考えられます。また撮影者が伯父ではないかと推測する根拠は、池田に在った父の実家には押し入れを改造した暗室が在った事を覚えており、またアルバム内に人物を特定できる情報が豊富に在った事によります。
但し、このアルバム《資料番号 94-3-3》を観ても、写っている人物や背景を特定しうる存在は最早池田にはほぼ存命していないのではないか、と考える処です。実際の処、このアルバムを解析した時点(2025年6月)では、現在の資料館でこのアルバムの寄贈者等の情報のトレースは叶いませんでした。
偶々私自身は、他所者とは云え、親戚という事も有り、また父自身は池田町屋で育った事もあり、同時に父のアルバムが残っている事も有り、この《資料番号 94ー3ー3》のアルバム解析が可能であったと考えています。